今回はなかなか量がありますが、頑張って付いてきてもらえると嬉しいです。
ここでは白い眼球部分を「白目」、白目の前面にある黒い部分を「黒目」、その中の白い部分を「ハイライト」、全体をまとめて「目玉」と呼ぶ事にしています。
あの黒目はどうなってる…?
スンスンがトゥーホックではなく人間世界にいる動画(ラジオ番組とかMVとか)だと、周りの小物などと比較してもリアルパペットなスケール感で、おおよそ目玉2個=大人の拳くらい(つまりパペットの頭部)。
目玉1つ4cmくらいなので白目の素材はピンポン玉が妥当だろうとは想像していたんですが、黒目が何でどうなっているのかはよくわからず。
塗ってみたりフエルトを貼り付けてみたりと模索していたんですが、しつこく観察を続けてようやく気付きました。

あの黒目は平面で、白目に貼り付けてあって、出っ張ってて白目に影が落ちている。ハイライト部分が真円ではなく白目と白さが違う事から、恐らく白地のプラ板をマスクして黒く塗装したものだろう、それを平らに加工した白目に貼り付けていると判断しました。
また、上顎のフサフサが黒目に少しかかるくらいなので、白目の下部は少し切り落とす必要がありそうです。
固定方法をどうするか
どうやってピンポン玉を布地に固定するか試行錯誤して、針と糸をピンポン玉に2軸で通せば4点留めで前後左右グラグラしないだろう、と思って試作機で試してみたんですが、

もうズコーッ!ってなりました。目玉固定しても布が動くじゃん!!と。いや当たり前なんですが。
目玉の固定と布の固定はセットで行わないと意味がない事が分かり、布側に土台のプレートを追加して、目玉とプレートで布を挟み込んで動かなくする方法を考えました。
更に糸固定ではテンションをかけにくく緩みやすいため、目玉にワイヤーを通してねじり締める事に。
塗装について
白塗装をすべきか?
これはホビーやDIYに慣れてない人からすると「しないとダメ?」って思う要素だとは思うんですが、「白いものを白く塗る」とは言っても、元の素の状態はこんな感じなんです。手前が無作為に取った開けたてのもの、奥が複数回塗ったものです。手前のをそのまま使おうと思うでしょうか?

もちろん、これくらいなら許容するという人もいるでしょうし、百均じゃない高品質な素材を用意すればいい、という人もいるかもしれません。そういう方々は手順を適宜読み替えていただくとして、基本的には塗装ありきで話を進めるようにします。
塗装時の注意
ガチホビーな人とかは自作塗装ブースとか色々対策すると思うので、やらない人向けに。
スプレー缶はLPガス(ブタンやプロパン)が缶内で気化して一定の圧力になるように出来ているので、結構な吹き付けの強さがあります。汚してもいい大型の段ボール内などで塗装をするとしても、行き止まりでガスの吹き返りが起きるため周辺1メートルくらいに塗料が飛びます。新聞紙や大型ゴミ袋でなどで養生する対策が必要です。
それと、塗装時に一箇所に吹きつけると一瞬で気泡だらけになって失敗します。かならずターゲットよりも外から吹き始めて、ターゲットの前を一瞬横切るだけ、という感じで薄く吹き付けるのを繰り返すようにしましょう。
正面から一瞬吹き付けただけ、少し横切るのがゆっくりだっただけ、という場合でも気泡が入ってしまう事があるので、この辺に慣れてない人は別の素材で練習してみるといいかもしれません。
また換気についても注意が必要です。窓を空けて塗装していたらキッチンで換気扇を回されて、リビング中にシンナーの匂いが移動してしまった事もあったので、小さい子がいる場合は家全体で吸排気の経路を考慮する必要があるかもしれません。冬になると換気自体結構辛いですし。
工具について
今回は縫い物とは違って加工要素が多いのもあり、そんなの持ってない!という事があるかもしれないので先に書いておきます。
- 穴あけ:ピンバイス(1mm、1.5mm、3mm)
- 円描き:コンパス
- 研磨:ヤスリ or 紙ヤスリ
- 切り出し:ノコギリ
ピンバイスとノコギリについては、女性や一人暮らしでは持っていないかもしれません。
ですが、木材にネジ穴を開けたり、粗大ごみをバラしたり、庭の木を切ったり、なんていうのは生きていれば何回も発生する事だと思うので、これを機に用意してしまっても良いと思います。
(強く買えとは言えないですが、無いとこの先の手順も進まないのでご理解ください)
タミヤのピンバイスはいいぞ、と書こうと思ってたんですが、いつの間にかめっちゃ値上がりしていたので、Amazonで中国製の安いやつをオススメします。
ノコギリはカッターの替刃タイプや、百均のもので済ませるという手もありますね。
今回の難易度

☆2にするか☆3にするか悩みどころだったんですが、小数という選択肢を作ってないし、工程ひとつひとつは特別難しい事をしていないので、ここは☆2とします。単純作業も積み重ねると厳しく感じてくるかもしれません。
今回の時間のめやす

塗料ごとの乾燥時間と季節でかなり左右されますが、何回も塗って待ってを繰り返すのでフリーな状態でも2日はかかります。朝塗ってから外出して、夜帰宅してまた塗って、、、というやり方だと3日4日になるつもりでお願いします。
白目の加工

わかりにくいので補足すると、工程4は「白目の隣に垂直になる物体を置いて白目とくっつける。その時接触した箇所がピンポン玉の中心になるので、そこに印を付ける」という意味です。
ここで印を付ける位置がずれたり、5の位置が線から外れたり、6の切り込みが中心から偏ったりすると、スンスンの目がずれているように(斜視のように)なってしまうので、気をつけてほしい所です。
黒目の加工

針対策でセロハンテープを重ねるのは、針が滑りやすいためしっかり「噛ませる」のと、素材の面に跡が残らないように保護するのが目的です。
塗装と接着
PPの呪い
ここで一番苦労したので触れておきます。白目の塗装の食いつきが悪く、ちょっとマスキングテープやガムテープで固定しようとすると、すぐ塗装や黒目が剥がれてしまって「またやり直しか!!(血涙)」という事が何回もありました。
車の塗装直しのために買っていたプラサフ(プライマー+サーフェイサー)を下地に吹いていたので、これで剥がれるのナンデ??とチャットAIに聞いてみたところ
「そのPP(ポリプロピレン)は難接着材料で普通の接着剤は効かないよ」
「PP対応プライマーを吹かないと塗装も密着しないよ」
「事前に脱脂も必要だよ」
という塗装マニアに相談したかのような助言をもらえました。AIしゅごい。しかも車用に脱脂剤まで買ったのがあるし。
という訳で、「白目・黒目の素材がPPか?」がチェックポイントです。どっちかの素材がPPだったらアウト、という事でホームセンターやネット通販で「PP対応プライマー」を購入して下さい。
ちなみに自分が推してきたダイソーのピンポン玉は残念ながらPPです。キャンドゥもPPでした。セリアのピンポン玉はPPじゃないというネット情報を見たんですが、一度も実物を売っている所に遭遇できていません。
白目の塗装
- (PPだったら)脱脂する
- 脱脂剤があれば吹き付けるなどして、キッチンペーパーや布等で拭き取る
- 脱脂剤がなければ食器用洗剤で洗う
- (PPだったら)プライマーを吹き、規定の時間乾燥させる
- 白塗料を吹き、規定の時間乾燥させる
- ピンポン玉の素地が見えなくなるまで白塗りを繰り返す
- (塗装面を保護したかったら)つや消しクリア塗料を吹き、規定の時間乾燥させる

黒目の塗装
- (PPだったら)脱脂する
- 脱脂剤があれば吹き付けるなどして、キッチンペーパーや布等で拭き取る
- 脱脂剤がなければ食器用洗剤で洗う
- (PPだったら)プライマーを吹き、規定の時間乾燥させる
- ハイライト部分をマスクする(以下のイラストを参考に)

補足すると、鉛筆等で書き込みができるシールやラベルがあれば、円を書いたあと台紙ごとハサミで切り出せるので、わざわざ一回マステをプラ板に貼るよりは楽だと思います。ただ針対策がもっとシビアになるので結局難易度は変わらない気もします。
- 黒塗料を吹き、規定の時間乾燥させる
- プラ板の素地が見えなくなるまで黒塗りを繰り返す
- マスクしたテープ等を剥がす
- 裏面も軽く黒塗料を吹き、規定の時間乾燥させる
- 側面(断面)を黒油性ペンでさっと塗る
- (塗装面を保護したかったら)つや消しクリア塗料を吹き、規定の時間乾燥させる
ハイライト部をマスクする時はしっかり隙間無く貼り付けないと、ちょっとでも甘い箇所があるとそこから黒塗料が入り込んで失敗するので注意が必要です。
ちなみに黒目自体は平面で小さいので持ったりせず、輪っかにしたガムテープに貼り付けてそのまま塗装してしまうのが楽でした。
白目と黒目の接着
白目にバッテンの切れ目を入れて凹ませてあったと思います。そこに多用途接着剤を盛って黒目を貼ります。粘性があるので奥に垂れたりはしないと思いますが、多すぎると黒目の横からはみ出してくる場合があるので、気づいたら酷くなる前に拭き取ってやり直しして下さい。
クランプや万力があれば軽く挟んで固定します。無くても黒目を下にして置いておけば問題なく固まると思います。
白目の補強
この目玉はワイヤーできつく固定するんですが、下側をカットしたのもあり断面がフニャフニャで強度が足りない状態です。なのでワイヤーで締めても目玉が変形しないよう、補強でレジンを盛ります。
レジン液もUVライトもダイソーに売ってるんです。すげーなダイソー。
しかしレジン液はDIYコーナーなのにUVライトはネイルコーナーや化粧品コーナーにあったりするので、男性陣はフラフラキョロキョロとした不審者にならないように気をつけましょう(汗)。

白目の断面を直接レジンに浸けたら、黒目を下にしてUVライトを立たせた状態で3分ほど照射します。硬化の際に微量ですが有毒ガスが出るらしいので、一応換気にも気をつけましょう。
このレジン補強した部分はフェイクファーのフサフサで隠れるので、見た目はあまり気にしなくても大丈夫です。
土台プレートの作成
最後に、目玉を布越しで固定するためのプレートを作ります。ほどよく湾曲している加工しやすい素材を探した結果、家でほぼ使っていなかった大きめ(23cm)のボウルをノコギリで切り出して使う事にしました。
そんな大きいボウルなんて無い、ボウルがもったいない、という場合はプラ板を曲げて作る方法もあります。
手元で試したのは0.5mmの塩ビ板ですが、沸騰したお湯でピロピロに軟化するため、鍋やフライパンの側面に置いて放置すれば、温度が下がると割とすぐ硬化すると思います。標準的なフライパンのサイズが24~26cmですね。
その場合、強度的に厚さ1mm以上は欲しいので、2枚重ねて接着する必要があります。


このプレートも生地の内側に仕込むものなので、切り出し後のバリなどは取る必要がありますが、見た目や仕上がりにこだわる必要はないです。
目玉と土台の完成
ここまででやっと目玉+土台が完成になります。
プレートの左右と下に切り欠きを作りましたが、これはねじり締めたワイヤーを逃がす箇所で、下の画像のように固定する事を想定しています。

左右の目の間が狭い(目が寄り過ぎ)に感じるかもしれませんが、間に厚みのあるフェイクファーが挟まるので、実際にはもう少し左右の目は離れる見込みです。
極端に湾曲率の低い(カーブがきつい)プレートを使う場合、目の離れ方が大きくなる可能性があるので、左右の目の中心を少し近づけるように微調整した方がいいかもしれません。
多めの画像とテキスト、長い工程になってしまったので、胴体への組み込みは別の回で詳しく書こうと思います。
次回は比較的シンプルな「腕と鼻」について書こうと思います。よろしくお願いします。


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